去年の日記帳

1年前の日記を投稿しています ◆ 時々雑記

4月23日 小さな赤い灯台 漁港の町 夜の海

2022年4月23日土曜日 晴れのちくもり/後編(この日の前編はこちら 4月23日 藤と緑色の恐竜 小田原城 十四歳の海

 

浜辺を歩く。いろんな色の石がある。波からギリギリのところで逃げる遊びをしながら歩く。可愛い足跡を見つけた。小犬……?

空はだんだん日も落ち、曇ってきて、でもまだ明るい。

反対側へまた海に沿って歩く。こちらは砂利。中くらいの砂利は、歩くとぶつかり合っていい音がする。海で水切りは難しい。なぜか、みかんが落ちている。

小さな赤い灯台にたどり着く。端に立って、テトラポットがゴロゴロしている下を覗いたら、鼠がいた。ドキドキした。狼は持ってきた双眼鏡で遠くを見ている。遠くの岬とか。私は他にも何かとんでもない生き物を見てしまいそうでぞくぞくとしながらも、足もとの湿ったテトラポットの隙間を覗き込んでいた。

少し進んだ先の砂利の上にはまた2つ、みかんが落ちていた。何故……?

 

浜辺と住宅街の間の場所に、ナガミヒナゲシが咲いていた。住宅の庭先にはツツジやクリサンセマムが。潮風のせいなのか、どの花も少ししんなりしている。

狼のお腹がすいたので、漁港の町でお店を探す。美味しそうな海鮮のお店がたくさん並んでいるのだが、どこも16時や17時で閉店していた。店先に猫がいて撫でた。港町とはそういうものなのか、あちらこちらに猫がいる。町はしん、としている。

一軒だけ開いているお店を見つけてそこへ入った。(「ぎょギョ魚の三太郎」というお店)この頃には私もお腹がぺこぺこになっていた。狼は鯵づくし定食を、私は海鮮丼を頼んだ。お客さんは私たちの他に一組しかいなくて、くつろいだ気分になる。この辺りはお昼の観光客向けのお店が多く、夜にはみんな店じまいするのだそうだ。ここが開いていてよかった。

海鮮は美味しく、流れているテレビはいつも土曜の夜に狼の家で見ているチャンネル(テレビ東京)で落ちつく。「相撲の最新の番付が貼ってある」と、相撲ファンでもある狼が言う。狼にビールと鯵フライを一口もらう。とても美味しかった。お味噌汁には海老の頭が入っていて香ばしい。

 

外に出ると、すっかり夜になっていた。

東海道を歩く。オレンジ色の街灯が灯っていてキラキラして見える。幸せな気分だった。

帰る前にもう一度、夜の海へ行ってみることに。

ナガミヒナゲシが咲いていたあたり、スマホの明かりに照らし出されて、大きな蛙を見た。ドキドキした。真っ暗で、そこへ海の音がすると人の力を超えているようで怖かった。狼とくっついて海を見る。後ろからの道路沿いの明かりで2人の影が砂浜に浮き上がっている。でも一寸先は本当の闇。少し離れたところに花火をしている数人がいて、それがなかったらもっと怖かっただろう。不思議な動きをする謎の光を見る。海に浮かんだり、飛んだり、ヌメッとした動きで浜に戻ってきたり。不気味だったが、恐らくドローン(防水の)だろうという結論に至った。

再び東海道に戻って、心からほっとした。

駅に着く。旅が終わってしまう。タリーズが見えて、閉店の時間まで(1時間ほど)いることにした。狼はアイスコーヒー、私はデーツとバナナのロイヤルミルクティーを飲みながら。

お土産屋さんは閉まっていて、かまぼこは買いそびれてしまった。

帰りは普通の小田急線に乗って帰る。通り過ぎていく駅。いろいろな行ってみたい場所の話をする。

 

グレーの砂浜のところ。西へずっと歩いて行くと砂浜は砂利になり、小さな赤い灯台にたどり着く