2022年4月2日土曜日 くもりのち晴れ
朝ご飯は、ぶりの照り焼き(狼がスマホを見ながら焼いてくれた)、玉子焼き(私が作り、今日は少し失敗。水分が多かった?)、たたききゅうり、お味噌汁。ぶりがとても美味しかった。
今日は目黒川の桜を見に行く。目黒は私が半年だけ正社員で働いていた町で、初めて一人暮らしをした町(アパートの最寄りは不動前駅)でもある。駅に着いて、まずは権之助坂をくだる。
橋の上。目黒川の桜は満開! 人もたくさん。転落防止の網の上で鳩もお花見しているみたいだった。
川の流れに沿って歩く。振り返りながら、立ち止まりながら。時折り晴れ間が見えるくもり空の下。花びらの降るなかを。
花から花へ飛ぶメジロを見た。プラスチックのコップに、スパークリングワインを飲む人たち。咲くのをスタンバイしているツツジ。狼が気になっていた謎の塔の正体は、新しく作っているごみ焼却場の煙突だった。お腹が空いたので、ひとまず町を目指す。
中目黒まで歩くと、そこはさらに混んでいて、警官が笛を吹いていた。母にもらったスタバのカードを使おうと思ったが混みすぎていて諦めて、すぱじろうに並んで入ってパスタを食べた。
住宅街を歩いたり、トイレを探して大通りを歩いたり。ところどころ懐かしい。大鳥神社の交差点、マルエツ。黒い小さな自転車で毎日往復した道。裏道に入り、また住宅街のなかへ。暗渠を見つけて狼は嬉しそう。人ひとりやっと通れる細さで、近所の人の抜け道として使われいるようだった。
そして林試の森公園へ。面白い公園だった。2011年の台風で倒れたユーカリの大木が囲われていて“自然に戻っていく姿を観察できるようにそのままにしてある”とのこと。大きなクスノキもあった。狼が嬉しそう。真っ白な木肌の木々は“アメリカスズカケノキ”と名札があった。
奥まで行くと広場が二つあって、そのまわりに桜が植えてあり、淡い夕空に霞んで不思議な美しさを醸している。今日見た桜で一番きれいだった。子供たちが2、3人ずつ野球にサッカーにバドミントンに、いろいろなスポーツをしている。薄桃と薄青の混じった空、桜の樹のあいだから杏色の光が漏れている。桜の花は夕闇のなかで薄紫に、幹と枝は黒いシルエットに見える。ボールを蹴る子供の影。写真に撮ってもやはりそれぞれの色はきれいに写らず、人間の目と脳ってすごいんだな、と思った。見たままが写せたらいいのに。しばらくベンチに座って眺めていた。
(後編へ続く。昔住んでいた家、懐かしい町へ。「とんかつとんき」でとんかつを食べるなど)