去年の日記帳

1年前の日記を投稿しています ◆ 時々雑記

4月23日 藤と緑色の恐竜 小田原城 十二歳の海

2022年4月23日土曜日 晴れのちくもり

 

私「すごいよ〜」 狼「なに?」 私「こんなにトゲトゲになった〜」 狼「なにが?」 私「静電気で!」

……私は一体なんの夢を見ていたのか、思い出せないが、そんな寝言を言って目が覚めた。

今日は遠出をするのでてきぱきと朝ご飯の支度。シューマイ、美味しかった。結局ギリギリになってしまって、お化粧もそこそこに出発する。

10時40分発のロマンスカーに乗って。

狼はすかさず地図アプリを見る。どの辺りを通っているかが気になるのだ。私はふと思い出して狼に『こんとあき』*1の話をする。あれは鳥取へ行く話だった。しっぽをドアに挟まれたこん、「きっぷをもってないわけじゃないんです」

富士山が見え、隠れ、くねくね曲がる川を越え、小田原に着いた。

 

日射しが強い。早くもお腹がすき、駅の近くの蕎麦処で冷たいかけ蕎麦を食べた。“ハイカラたぬき蕎麦”。隣のテーブルで食べていた、九つの小さなお椀にいろいろな種類のお蕎麦が少しずつ入っているのが素敵だった。風情のある木枠の窓が少し開いていて、空腹に負けてさっと入ってしまったのにいいお店だった。

 

すっかり緑になった桜並木を歩き、「めがね橋」を渡って、小田原城へ。

大きな松の木。ケケケケケケ、と高いところで鳥が鳴いている。たんぽぽがたくさん咲いていて、鳩がみんな地面をつついていた。

樹齢二百年の藤棚を見る。今日はこの藤を見に(狼が見たいと言って)ここへ来た。狼が言っていたとおり、熊蜂がたくさんいる。隣の堀には白いサギが。(この前見たコサギより大きい)柵の上に、誰かの忘れ物なのか小さな緑色の恐竜が置いてあった。堀の水を背景に、まわりに藤の花を散らして。

記念に藤と写真を撮ろうとマスクを外したら、花のいい香りがした。熊蜂も誘われるわけだと思う。

 

いざ天守閣へ。展示を見ながらのぼっていき、最上階は外へ出られるようになっている。丸いこんもりした山々(丹沢の山はもう少し尖っている気がするので、箱根の山?)、海、伊豆半島、反対側には三浦半島が見えた。そして下には、赤い布を敷いた長椅子が並ぶ甘味処が。

下におりてすぐ、甘味処へ。暑いので、狼は冷たいクリーム白玉ぜんざい、私はあんみつ。美味しい煎茶としば漬け付き。城を背景に、見知らぬ家族がアイスを分け合うのを見ながら食べる。城を見上げるふわふわの白い犬、泣きだした赤ちゃんの声……

 

また緑の桜の道を通って、「かまぼこ通り」を歩き海へ向かう。

住宅街を歩いていたと思ったら突然、四角いコンクリートのトンネルの向こうに海が見えて驚いた。

 

大きい砂利、小さい砂利、グレーの、少し砂利っぽい砂浜のところを歩く。海に近付こうと、大きな岩をのぼる。釣り人がいて、じゃましてしまいそうだったので静かに離れる。

少し日陰になった、乾いたテトラポットの上で一休みした。

遠くに写真を撮り合う若者たちや、家族や、散歩する犬を見て。雲は見るたびに違う形をしている。飛行機雲が描かれては消える。空気は夏のようにぬるくて、海は眩しかった。

読みかけの(家のソファの上に置いてきている)『十二歳』*2を思い出す。浮き輪で沖に浮かびながら、みどりちゃんと、いつか一緒に海外旅行に行こうと指切りするところ。いいシーンだった。ちょうど小田原の話だから、この相模湾の海かもしれない。

 

後編へ続く。この後、海辺を歩く。いろいろな生き物を見る。漁港の町で夜ご飯を食べるなど)

 

緑色の恐竜と藤の花