去年の日記帳

1年前の日記を投稿しています ◆ 時々雑記

◆ 日記を読むこと

いつもは去年書いた日記を投稿していますが、今日は2023年現在に書いています(初めて)。

このブログを来年も続けていれば来年に投稿する日記にも書いてあるようなことですが、突然……勝手に、今の私のことを書きます。

まず現在読んている本は『山田さんの鈴虫』*1です。学生の頃“Pちゃん”に、私が好きそうだから、とプレゼントしてもらって、でも当時の私にはよさが分かるまでの忍耐がたりず、序盤で投げ出してしまいました。それを最近になってたまたま手に取ると、とても面白かった。

庄野さんの日記のようなかたちで語られるこの小説のよさが分かるようになったのは、あの後いくつかの面白い日記に出会い、基盤ができたからではないかと思います。美術大学を卒業して数年後、別の友人からこれもまた私が好きそうだから、と『富士日記*2をプレゼントしてもらい、始めは少し頑張って読んでいたのですが最後のほうでは体の芯がじん、と痺れるように静かに感動したこと。そして去年、『アンネの日記*3を読んでこの本がいかに凄い本かと日記にも、“狼”にも熱く語ってしまうほど夢中になったこと。それから、今年2月からはてなブログを始めたことによって訪れた下北沢の日記祭。私が着いた時には『はてなブログの日記本』はすでに無くなっていて、下北沢は15年ほど前の記憶と違ってきれいすぎて眩しいように感じ、お洒落な空気に怖気づき、すぐに帰ってしまったのですが……帰る前に勇気を出して、一冊だけ日記本を買いました。途中さんの『内側と外側』です。前述のなかでは『アンネの日記』に似て(内容が似ているわけではなく)内面の記述が多く、その一つ一つの的確さに驚き、私の頭と心の中間のような場所が刺激され、夢中になってしまう日記です。こうして私は日記の面白さにすっかりはまってしまいました。学生の頃に面白さが分からなかったのは、日記は長く読み続けると面白さを増す、ということをまだ知らなかったからだと思います。1ページ目から惹き込まれる日記は少なく、あるところから急に面白くなっていくのです。恐らくその日記の主の性格や日常の何らかの部分に自分がいつの間にか慣れ親しんだ、と気づく瞬間から。今では日記ブログを読むことが私の日々の楽しみになっています。少し読みすぎている気もしていて、控えなければと思うほどに。

上に挙げた本で日記の楽しさに出会いましたが、ブログで読む日記にも独特の楽しさがあります。私の去年の日記に藤を見たと書いてある日には、他の誰かも藤を見ていたり、グリンピースが実る季節、去年の私は豆ごはんを食べている(そんなことはすっかり忘れていたが、食べていた)。するといつも拝読しているブログでも豆ごはんを炊いていたりする(この方はお庭で育てたグリンピースで……!)。全国的に雨の日には、どのブログにも雨が降っている(この場合、私のブログには雨が降っておらず、少し寂しい)。4月の頃、体調がすぐれない、というブログをいくつか読む。今日はそういう日なのだろうか……などと思う。そして自分の去年の日記帳を開いたら、珍しくアルバイトを病欠していたりする*4。たまたまかもしれませんが、春は気温の差が激しく体調を崩しやすい時なのだと改めて思いました。

挙げたらきりがないのですが、リアルタイムで日記を読むことは楽しいです。私が投稿している日記は1年前ですが、季節は合っているのでそれはよかったと思います。

応援したり、励まされたり、こんな考え方があるのだ、と頭をガツンと殴られたように思ったり(良い意味で)しています。更新に気づくと、心に明かりが灯ったように嬉しくなるブログがいくつかあり、ずっと書き続けてくれるよう、ひそかに願っています。星をもっとつけたくて、でもなるべく抑えてつけています。だんだんと、つける数が無限に増えていってしまいそうなので。(時々、感情を抑えられなくなる時があります)

……今読んでいる本の話から、ほとんど日記とブログの話になってしまいました。タイトルは「日記を読むこと」にしようと思います。去年の今頃から7月末頃まで日記が飛び飛びになっていたり、全く書いていなかった時期があるのでその間、いつかやってみたかったエッセイのような文章を書いてみようとし、やっぱり難しいので日記のように近況を少し報告しようと思い、書き始めました。他にも書きたかったことがあるのですが、またにします。

今後も、このような文章を突然投稿しようと思っています。他にも日記やブログのこと、アルバイト生活に至った経緯について、7年前に友人が住んでいた静岡の道路で「お空から落っこちてきたみたいにいた」赤ちゃんの頃のピカタについてなど、興味を持ってくださる方がいるか分かりませんが、書いてみたいです。徐々に書き方も上達することを願います。日記だけを読みたい、という方もいるかもしれません。今回のような日記ではない投稿の時はタイトルに「◆」をつけるので目印にして頂けたらと思います。

 

今までで一番長くなってしまいました。不慣れな文章を最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

 

2023年5月11日木曜日 雨

*1:文春文庫『山田さんの鈴虫庄野潤三

*2:富士日記』を中心に収録されていますが、私が読んだ本の正しいタイトルは『精選女性随筆集 第五巻 武田百合子』でした。文藝春秋より 武田百合子 著 川上弘美

*3:文春文庫『アンネの日記 増補新訂版アンネ・フランク

*4:4月10日 病欠した日 - 去年の日記帳