去年の日記帳

1年前の日記を投稿しています ◆ 時々雑記

3月19日 ポンペイの丸いパン あんみつ 外は激しい雨

2022年3月19日土曜日 晴れのち雨

 

朝起きると昨日の頭痛はほとんど消えていた。 

狼と上野へ。久し振りに来たら間違えて違う出口から出てしまい、パンダ橋を渡って公園側へ向かう。日射しが強くて、暑いほどだ。

昨日の夜、狼が「いつも配達中にトラックで通る桜並木が、まだ咲いてなくて一見ただの枯れ木なんやけど、なんか“ふわぁ〜”っとピンクに見えるようになってきた」という話をしていて、私はうまく想像できず「へえ〜」と相槌を打っていたのだが、上野公園のまだ咲いていない桜を遠くに見て、狼はこのことを言っていたのだと分かった。まだ開きかけもしない蕾*1なのだが、その一つ一つの枝の先の小さな濃いピンク色の集まりが、桜の木々全体を”ふわぁ~”っとピンクの気配をまとっているかのように見せていた。まさにもうすぐ咲く花の、気配のような。「これのことか!」と私が言って、「そう、これのこと」と狼も嬉しそうであった。

東京国立博物館。高校生の頃に来た時には何も思わなかったが、立派な建物だった。今日は働いている書店でもらったチケットで「ポンペイ展」を見に来た。

灰の下に眠っていた、紀元1世紀の文明の欠片が並べられている。たくさんのモザイク画。ねじり模様のガラスのコップ。驚くほど細かい細工の金属の食器や、医療器具。火山灰の中で石化した、八等分の切れ目のある丸いパンなどを見た(この丸いパンが、一番印象に残っている。普通なら1年後にだって形が残っているはずのないものだからか)。

 

外へ出るといつの間にか曇っていて寒かった。そして2人ともとてつもなくお腹がすいていた。またパンダ橋を渡り、アトレの中のマンゴーツリーカフェに入って、ガパオライスと前菜の盛り合わせをもりもり食べた。

買い物がしたい気がしてマルイに入ると、ちょうどエポスカードの10%オフで混んでいて、でもニトリは対象外らしくその階だけが比較的すいていた。狼がニトリで買い物して、私は結局何も買わなかった。また頭痛がひどくなってきてしまい、レジの列に並ぶ気がしなくてぼーっとしていた。

再び外に出るとすっかり暗く、昨日のような土砂降りの雨になっていた。

私の強い希望により、アトレの中の「あんみつ みはし」に入る(本当は本店へ行きたかったが、雨が強いので)。今回は、杏あんみつを注文する。メニューに、「あんみつは味のシンフォニー」と書いてあった。まさしく!……杏やみかんは甘酸っぱい。なめらかな餡や、蜜は甘く、赤えんどうはほくほくで微かに塩味があって、寒天はつるっと、求肥はもっちりほの甘い……お茶も美味しい。頭痛も和らぐ。

スタバに移動してトールサイズのコーヒー1杯ずつで、少しだけゆっくりする。帰るまで本の話をした。私は『アンネの日記』がいかにすごい本かを熱く語り、狼は今読んでいる劉慈欣の短編集『円』について語った。自動ドアが開くたびに、激しい雨と水しぶきの音がする。

 

*1:2022年、東京の開花宣言は翌日の3月20日でした